【収録作品】
マゾネコ×魔法少女 ～悪の魔法少女が、正義の魔法少女に首輪をつけて飼われちゃうマンガ～(RJ391905)
マゾネコ×魔法少女 ～悪の魔法少女が、正義の魔法少女に徹底調教されちゃうマンガ～(RJ01176027)
マゾネコ×魔法少女～悪の魔法少女が、正義の魔法少女と末永く幸せに暮らすマンガ～
(RJ01339242)

※単品販売のものと内容に重複があります。

「はっ……はっ……はっ……」


　夜闇を駆けるのは、黒と赤の露出の多い服装を着た少女だ。まだ因数分解もできなさそうな外見に見える。セミロングの銀髪を揺らし、赤色の瞳を潤ませつつ、何かから逃げるように走っている。


「ここまで……くれば……っ!」


　悪の魔法少女リリィ・ダークネス。悪の組織イカセールに所属し、数多くの正義のヒーローや魔法少女を屠ってきた彼女に相違なかった。


　レオタードのような服装の上に、フリルの付いたスカートを履いた姿だ。膨らみかけの胸と、くびれかけた腰、柔らかそうな尻の形がはっきりと見える。細く長い手足は手袋や長いブーツによって包まれており、思わずその趣味がない人間でもごくりと生唾を飲んでしまうような美しさだ。


「……ふう……」


　リリィは橋の下で座り込んだ。追手がいないことを探知術式で確認して、一息つくことが出来たのだろう。


　そう、彼女は逃亡者だった。

「……でもね、リリィちゃん」

「……ふぇ?」



　しかし、コロナは心底辛そうな表情を浮かべて、リリィに宣告する。



「――――言ったよね。リリィちゃんは、悪いこといっぱいしてきたって……」

「あ……」

「だから、反省しなきゃいけないって、言ったよね」

「あ゙……あ゙ぁ……っ」

「大丈夫だよ、リリィちゃんならできる。わたしもついているから。頑張って、いっぱい反省しようね。大丈夫、こんなに素直でかわいい、女の子なんだから」

「や、ゃだぁっ……　むりぃっ　むりだよぉっ」

「大丈夫、大丈夫……がんばろうね　リリィちゃん　がんばって、悪いのを体と心から追い出そうね　悪の魔法少女――やめようね」

「あ゙……　あ゙ぁっ」



　コロナは大丈夫、大丈夫と繰り返しながら震えるリリィを落ち着かせるように優しく撫でる。しかし、リリィにとってはこれからが本番だと、お前を本気で壊してやるという宣言にしか聞こえなかった。

リリィが気が付かないうちに、彼女が監禁されている小部屋――コロナが作り出した異空間の片隅に、観音開きの扉が出来ていた。人一人がやっとくぐれそうな程度の大きさだ。それが、四つん這いになったリリィの目の前に配置されている。



「リリィちゃん、これがなんだか分かる?」

「……?　わ、わから、ない」



　ろくでもないものだろう、とリリィは思ったが、それどころではなかった。コロナのおぞましい性質は、リリィの想像を超えていた。



「これはね、リリィちゃんのお墓」

「――――え?」

「ほら、ここ」



　よく見ると、扉の上にリリィの写真が張ってある。遺影のように白黒写真だ。どこで撮ったのか――――かつての凛々しい、悪の魔法少女であった頃の写真だ。